May22th

探偵花崎の調査法3~4

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第3話 初同行
薫の元を訪れる結菜。
満面の笑みで結菜を出迎える薫。
薫「あ! 結菜ちゃん! ついに僕の助手に」
結菜「違います」
ショックを受けた表情を見せる薫。
薫「そんなきっぱり言わなくてもいいじゃない・・・」
結菜「あ、そうそう。事件です。是非、あなたの仕事ぶりを見せてください!」
頭を深く下げる結菜。
薫「お。よし、分かった、じゃあ、事件を解決したら僕の助手に」
結菜「さ! 行きましょう!」
部屋から出ていく結菜。
薫「え! ちょっと待って!」

×××

結菜に連れられ、目的地にたどり着く薫。
目の前には大きな屋敷があり、それを見た瞬間、嫌そうな表情をする。
薫「あー・・・」
結菜「どうしたんですか?」
薫の方を見る結菜。
同じく薫も顔を向ける。
薫「金尾銀八郎って知ってる?」
結菜「ああ、知ってます。事件解決のついでに何かゴシップでもと」
薫「あ、なんだ、そういう事。じゃあ、金尾の悪事を暴くつもりでいかないとね」
結菜「同時進行でやります」
屋敷の入り口へ向かう二人。

×××

家の中に招かれる二人。
中には極悪人面の男、金尾銀八郎が待ち構えていた。
妻と二人いた娘に逃げられ、現在一人暮らし。
金尾「ふん。無名の探偵とその助手か・・・二人合わせて時給200円で十分じゃ」
結菜「ちょ、ちょっと待ってください! 労働基準法に違反しているし、第一問題、私助手じゃないです!」
金尾「ほう・・・じゃあ、何じゃ」
結菜「じ」
おもむろに結菜を小突く薫。
薫「ジャーナリストとか言ったら仕事にならないから!」
薫の方を見る結菜。
結菜「あ! それもそうですね」
金尾「な、なんじゃ? 言いたいことがあるならはっきり言ったらどうじゃ?」
不自然な笑顔で金尾を見る二人。
結菜「あはは。助手です、助手」
金尾「何じゃそりゃ・・・」

×××

なんとかその場をごまかし、廊下に出る二人。
結菜「最初に何をするんですか?」
薫「まずは関係者への聞き込みだね。誰が犯人でもおかしくないから無駄かもしれないけど」
二人のところに若い女性が二人やってくる。
家事手伝いをしている日沢春と最近鑑定士として雇われた中音響子だ。
春「あの、すみません。先生に雇われた新しい探偵さんでしょうか・・・」
二人を見る結菜と薫。
薫「はい、そうですが・・・」
春「そうでしたか。住み込みで働いている日沢春と言います」
響子「私は中音響子。ここで鑑定士として働いています」
結菜「あ、これはご丁寧にどうも」
薫「ん? 中音・・・」
不思議そうな表情で薫を見る響子。
響子「どうかしましたか?」
薫「あ、いえ。ちょっと忘れていたことを思い出しただけです」
春「客室へご案内しますわ、どうぞこちらへ・・・」

×××
春と響子の案内で客間に案内される結菜と薫。
春「では、御用があれば気軽に声をかけてください」
結菜「はい」
部屋から出ていく春と響子。
薫の方を見る結菜と顔を合わせる薫。
結菜「ところで花崎さん」
薫「ん?」
結菜「さっき響子さんの名前を聞いて何に気づいたんですか?」
薫「あ。分かってた? さすがだね。実は10年前に強盗殺人事件があってね・・・その被害者の苗字が中音だったんだよ」
結菜「え? でも、苗字なら・・・」
薫「うん。だけど、その事件で生き残った被害者の孫は今、響子さんくらいの年齢の年齢だったんだ・・・」
結菜「でも、今回の事件と関係なさそうですね。確かに鑑定士ということは盗み出す値打ち物を見極めるには最適ですが・・・」
薫「そうだね。でも、頭の片隅には入れておいて」

×××
家の者からあらかた聞き取りを終え、客間に戻ってくる結菜と薫。
結菜「噂には聞いてたけど、それ以上でしたね・・・」
薫「うん・・・話に出た容疑者だけで3ケタなんて初めて・・・でも」
不思議そうな表情をする結菜。
結菜「ん? なんですか?」
春の声「お茶と茶菓子を用意しました。部屋に入ってもよろしいでしょうか」
薫「あ、はい。どうぞ」
部屋の中にお茶と菓子を持った春と響子が入ってくる。
春「お疲れ様です。粗末なものですが・・・」
お茶と菓子を丁寧にテーブルの上に載せていく春と響子。
結菜「ありがとうございます」
薫「あ、そうだ。春さんと響子さんにはまだ話を聞いてませんでしたね」
響子「あ、春さんはまだ仕事が残ってるから、私から先にします」
薫「別に構いませんよ。少し長引くかもしれないので空いた時間で結構です」
春「ありがとうございます。じゃあ、私はこれで」
部屋から出ていく春。
薫達もソファに向かい合って座る。
響子「それで、私には何を聞きたいんです?」
薫「単刀直入に申し上げます。色々話を聞いて回った結果、あなたが犯人である可能性が最も高い」
怒りに身を任せて立ち上り、薫を見る結菜。
結菜「ちょっと! いくらなんでも失礼じゃないですか! それに聞き込みしたら容疑者が100人くらいたし!」
不敵な笑みを見せる響子。
響子「いえ。中々面白いわ。是非、私が犯人だと思った根拠を聞かせてください」
驚いた様子で響子を見る結菜。
薫「まずなぜ、著名な刀が盗まれたのに真っ先に警察に通報しなかったか。盗品とあれば、当然、警察に調べられる可能性が出てきます。そんなことされれば過去に自分の犯した罪が発覚してしまうかもしれないから」
結菜「あ! そうか! 10年前の強盗殺人事件で盗まれたのは・・・」
薫「金尾は用心深いことで有名だったからね。大きな事件だったし、10年前なら知ってる関係者にあたる可能性もあるし」
響子「それで? なぜ10年も前の事件を今更・・・」
薫「ここからは推測ですが・・・あなたは10年前の事件の被害者のお孫さんじゃないんですか?」
少し動揺した様子を見せる響子。
薫「あの事件では盗まれた物はさる名刀でした。そして、被害者は刀で斬り殺された・・・」
響子「やめて!」
耳を塞ぎ、嫌がる様子を見せる響子。
結菜「響子さん!」
心配そうに響子に近寄る結菜。
響子「その話は聞きたくない! もう思い出したくないの!」
薫「では、盗んだ刀の在処を教えてくれますね? でなければ話の続きを・・・」
苦しそうな様子で薫の方を見る響子。
響子「分かったわ・・・ついでに警察でもなんでも呼んで・・・」

×××
金尾の元に盗まれた刀を持っていく結菜と薫と響子。
金尾「おお! よくぞ、みつけたもんじゃ! して、犯人は一体」
唐突に刀を掴み、金尾をに斬りかかろうとする響子。
唐突な行動に驚く結菜。
結菜「あ!」
刀は金尾を当たるにする寸前のところで止まる。
響子「よくも・・・優しかったおじいちゃんとおばあちゃんを・・・」
そこに五山率いる警官隊が突入してくる。
五山「そこまでだ! 金尾銀八郎! 貴様を強盗殺人の罪で逮捕する!」
あっという間に逮捕され、連行される金尾。
率いられていた一人、木葉が残る。
刀を鞘に納めて床に置き、両手を差し出す響子。
木葉「16時25分、中音響子、あなたを窃盗及び銃刀法違及び殺人未遂の容疑であなたを現行犯逮捕します」
響子の左手に手錠の輪がかけられる。
響子「お世話になります」
右手にも手錠の輪がかかり、両手の自由を奪われる響子。
結菜「響子さん・・・」
振り向いて結菜と薫を見る響子。
響子「ありがとう、探偵さん。あなたのおかげでおじいちゃんとおばあちゃんの仇を討てました。助手さんも心配してくれてありがとう」
二人に深くお辞儀をする響子。
木葉「さっさと歩きなさい」
響子「はい」
おとなしく連行される響子を見送る2人・・・

×××
連行される途中、春が待っていた。
春に見せつけるように手錠を強調してみせる響子。
響子「ごめんね、春ちゃん・・・」
春「響子・・・」
再び歩かされる響子。
春「私、いつまでも待ってる! だから・・・だから!」
少し足を止めるも、再び歩き出す響子。

×××
並んで歩ている結菜と響子。
結菜「まさか本当に響子さんが犯人だったなんて・・・」
薫「うん、あ!」
突然足を止める薫とつられて足を止める結菜。
結菜「ど、どうしたんですか?」
薫「金尾が逮捕されちゃったから今回の報酬がもらえないじゃん!」
結菜「あ」
薫「こうなったら、君の書いた記事分を山分けするしかない・・・是非! 部数10倍を目指してくれ!」
結菜「え?」

第4話 穴埋め
事務所に入ってくる結菜。
結菜「おはようございます! って、あれ?」
ソファには私服姿の木葉が座っていた。
結菜の方を見る木葉。
木葉「あら、あなたは薫の助手の・・・」
結菜「あ、別に助手なったわけじゃないです。はい」
木葉「あら、そう・・・あなたたちならいいコンビになれると思ったんだけど・・・」
残念そうな表情を見せる木葉。
結菜「そういえば婦警さんは・・・」
木葉「あ、そういえば名前をまだ行ってなかったわね。
立ち上がる木葉。
木葉「百合島木葉よ。よろしくね」
結菜「あ、はい。ジャーナリストの竜田結菜です。こちらこそよろしくお願いします」
お辞儀をする木葉。
結菜「あ、あともう一つ」
木葉「何?」
結菜「花崎さんのこと薫って・・・」
木葉「ああ。薫は幼馴染なの。高校まで同じ学校だったわ。さて、じゃあ、行きましょうか」
結菜「え?」
木葉「今日は朝早くから仕事が入ってたから、あなたが来たら仕事を見せに来させるように頼まれたのよ」

×××
薫の仕事をしているビルにたどりつく結菜と木葉。
木葉「さぁ、着いたわよ」
2人が向かった部屋には薫と1人のスーツ姿の女性が待っていた。
待っていた女性の名は黒羽千里。35歳の実業家で、このビルは彼女の所有物にあたる。
部屋に入ってきた2人を見る薫と千里。
千里「あら? この方たちは?」
薫「あー、今回お手伝いしてもらう方々です」
千里「そうですか。じゃあ、私は人を待たせていますので」
いったん部屋から出ていく千里。
木葉「薫、何か進展はあった?」
薫「んー。大体の目星は付いたけどね」
結菜「何の事件ですか?」
薫「男性客殺人事件」
恐れをなして壁まで後ずさる結菜。
結菜の方を見る二人。
薫「ごめん」
木葉「まぁ、それが普通の反応よね。でも、安心して。大の男がちょっとした怪我で大げさに騒いだだけだから」
落ち着きを取り戻し、怒りの様子を見せる結菜。
結菜「じゃ、じゃあ殺人事件じゃないじゃないですか! もう!」
薫「この男が面倒な奴でさ。この会社の女性社員相手に三又してたんだって」
結菜「何ですか! それ! 女の敵ってやつですね!」
薫「うん。しかもここの社長のお得意様の息子らしくてね。社長も仕方なく、僕に依頼をしてきたんだ」
結菜「何かどんどんむかつきが増します! 木葉さん! そんな奴、逮捕して刑務所にぶち込んじゃってください!」
木葉「したいのは山々だけど・・・職権乱用よ、それ」
重い腰を上げる薫。
薫「じゃ。解決しに行くか」
木葉「あら。もう分かったの?」
薫達3人が向かって部屋には事務服姿の3人の女性がいた。
女性はそれぞれ鷹野悠子、鶴宮朱美、雀原碧といい、3人とも千里のもとで働いているOLである。
挑発的な態度で薫の前に立ちふさがる悠子と朱美。
悠子はすでに結婚しているのに、被害者の男に愛人扱いされて困っていた。
朱美は遊び感覚で付き合っていたが、金と仕事(主に汚れ)だけが取り柄の被害者に飽き飽きしていた。
悠子「あなたが社長の行ってた探偵さんね。犯人の目星は付いたのかしら」
朱美「うちらとしては憂さ晴らしできたし、別に未解決のままでもいいんだけどねー」
薫「えー。それはもちろん」
その言葉を聞いた瞬間、立ち上がり両手を差し出す碧。
今年入社したばかりの新入社員で気弱な性格をしており、言い寄る被害者に抵抗することができなかった。
碧「ご、ごめんなさい! 私がやりました!」
困った様子を見せる薫。
薫「いや、まだ何も言ってないんだけど」
木葉「まぁ、いいじゃない」
手錠を取り出す木葉。
手錠を見て驚く結菜と薫。
木葉「あなたを障害の容疑で逮捕するわ」
手慣れた手つきで碧の両手の自由を奪う木葉。
同僚の逮捕が信じられず思わず、目をそらす悠子と朱美。
木葉「さ、歩きなさい」
手錠をかけられた悔しさからか、なかなか一歩が踏み出せない碧。
薫「それで? あなたはこれでいいのかな。真犯人さん」
その場にいた全員、薫の方に視線を合わせる。
そのうちに一人、朱美に顔を向ける薫。
他の4人も一斉に朱美を見る。
降参したように手を挙げる朱美。
朱美「なるほど。探偵さんには全てお見通しってわけか・・・」
碧「ち、違います! 犯人は私です! 朱美さんは関係ありません!」
朱美「もういいんだよ、碧」
両手を揃える朱美。
朱美「ねぇ。婦警さんか刑事さんか知らないけどさ。早くその子の手錠を外して、あたしにかけて」
もう一つ手錠を取り出し、朱美に近づく木葉。
木葉「あなたを傷害の容疑で逮捕するわ」
朱美「え?」
木葉「悪いわね。あの子は犯人隠匿の罪に問われるわ。さ、歩きなさい」
連行される朱美と碧。
外に向かう途中、千里と鉢合わせる。
朱美「社長・・・」
碧「ご迷惑をおかけしました・・・」
千里「そう思っているなら、早く罪を償って戻ってきなさい」
その場から立ち去る千里。
千里に礼の意志であるお辞儀をした後、再び連行される朱美と碧。

×××
結菜「ところで碧さんは何で朱美さんをかばってたんでしょうか?」
悠子「簡単なことよ。碧ちゃんは朱美ちゃんの実の妹なの」
驚く結菜と薫。
悠子「あら、さすがの探偵さんも気づかなったみたいね。あの2人が幼い時にご両親が離婚してね、碧ちゃんがこの会社に入るまでずっと離れ離れだったの」
感心した様子を見せる結菜と薫。

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